ガーミン(Garmin)といえば、ランナーにとってはとても馴染み深い会社ですよね。ランニング中に着用するGPS時計としては一定の地位を獲得しているといえるでしょう。
我々の日常生活において、位置情報サービスやナビゲーションシステムは欠かせない存在となっており、ガーミンはその根幹となるGPS技術の進化とその普及において重要な役割を果たしてきた企業の一つです。
しかしガーミンという企業の成り立ちや、その成長の経緯について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
この記事では、ガーミンの創業から現在に至るまでの歴史を解説していきたいと思います。ガーミンがいかにして我々の生活を変えてきたのか、その道のりについて詳しく見ていきましょう!
ガーミン(Garmin)の歴史
創業期
ガーミンはアメリカにて創業されたGPS機器メーカーです。
1989年に電気技師であったゲイリー・バレル(Gary Burrell)と高民環(ミン・H・カオ:Min H. Kao)により共同で設立されました。この2人の名前の頭文字をとって、Gar-Min➡ガーミンとなったのです。
バレルは1937年生まれのアメリカ人で、大学では電気工学の学位を取得し、その後は航空ラジオメーカーに勤務し、ナビゲーション機器や通信機器の開発を主導しました。
高民環は1949年に台湾で生まれました。台湾海軍に勤めた後に、大学で電気工学の学位を取得しました。大学院生時代はNASAやアメリカ陸軍のための研究を行い、その後も軍需産業で従事しました。
1983年にバレルは当時働いていた会社の自身の部門に高民環を雇い入れたことで2人での仕事が始まりました。2人は最初の航空機向けGPSナビゲーションシステムがアメリカ連邦航空局から認可を受けるために開発を主導しました。
「GPSを普及させて世界を変える」ことが彼らの目標でしたが、会社は彼らの理想に反してGPS関連の研究開発の予算を削減しました。2人はこの会社の方針に失望したとともに、それならば自分たちで会社を起業したらいいのではという考えにあたり、彼ら自身の事業を立ち上げることにしたのです。
二人は貯金を取り崩し、家族や友人、投資家から資金援助を受けて、合計400万ドルの資金を集めて1989年にGarminをスタートさせました。先ほども述べたように、この2人の名前の頭文字をとって、Gar-Min➡ガーミンとなったのです。
発展期
ガーミンの最初の製品はGPS 100というパネル搭載型の航海用GPSレシーバーでした。その製品はすぐヒットし、5,000個の受注があったそうです。
また初期には携帯型GPSレシーバーを製造し、1991年の湾岸戦争の際クウェートとサウジアラビアで従軍する軍人の間で人気を博したとのことです。
その後もGPS技術は徐々に拡大していき、その市場は航空、海洋、自動車、アウトドア、フィットネス分野へと拡大していきます。
ガーミンは「一番困難な作業に最初に取り組む」という哲学を有し、全てのプロダクトを自社開発する垂直統合型のビジネスモデルを強みとして、2000年にIPOを果たしました。
そして2003年には最初のランナー向けウェアラブル機器Forerunnerとを発売しました。これは世界初の手首で測定すGPSトレーニングデバイスであり、現在我々が装着しているガーミンの機器の出発点ですね。
当初は個人用GPSの需要は小さく、なかなか大ヒットとはならなかったものの、「ウェアラブルこそが会社の救世主になる」と考えて、ガーミンはウェアラブルへの取組みをさらに加速させていき、サイクリング、ジョギング、トライアスロン、水泳、ゴルフ、ハイキングなど種目ごとに特化したウェアラブルを次々とリリースしました。
高価格ではあるけれどもユーザーのニーズをよく考えて設計されているガーミンの製品は徐々に人気を獲得し、現在のウェアラブル機器メーカートップの地位を確立したのでした。
現在
現在のガーミンは本社を登記上ではスイスに置いており、運営上はアメリカ合衆国にある子会社のガーミン・インターナショナル社が実質的な本社として機能しています。そして最大の生産設備は台湾に有しています。
高民環が会長、クリフ・ペンブル(Cliff Pembell)が社長兼CEOを務めています。
ガーミンは創業から現在に至るまで、部品の開発・設計・製造は、原則としてすべて社内で行っているとのことです。
社員が欲しいものを、自ら企画・開発し、自身でテストを行っているケースも多いとのことで、だからこそ機能に妥協なく、最高の製品が実現できています。
その飽くなき向上心は、プロのアスリートからアマチュアの方まで幅広い層に支持され、熱烈なファンとしてガーミンの製品を使用し続けています。
ゴルフ用、サイクリング用、ランニング用、自動車用機器、航空機用機器、船舶用機器、アウトドア用機器、軍用機器など、今後も様々な分野でガーミンの優れたGPS機能は活躍していくことでしょう!!
おわりに
今回は、ガーミンの創業から現在に至るまでの歴史を解説しましたがいかがでしたでしょうか?
ガーミンという名前が人名から来ていたというのも素直に驚きですが、ガーミンを成長させてきた人々の情熱と技術力が、我々の生活をより便利にしてきてくれたことには感謝しかないですね。
これからも一人のランナーとして、ガーミンのさらなる発展と、より高性能で稼働時間の長いGPS時計の発売を心待ちにしております!!
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!