お正月の風物詩と言えば箱根駅伝ですね。
色とりどりのユニフォームに身を包んだ選手たちが颯爽と箱根路を駆け抜ける姿は見ている我々にも勇気と感動を与えてくれます。
さすがに10区間200km近くを走ってくるとゴール間際での優勝争いというのは珍しいことであり、どちららかという往路の日はシード権争いに注目が集まることが多いかと思います。
ただあそこまで中継でシード権争いについて熱く語っていても、陸上部ではない人にとっては、シードをとるか取らないかがどこまで重要なのか分かりづらいかと思います。
ということで今回は、箱根駅伝におけるシード権の仕組みと、その重要性について語っていきます。
箱根駅伝のシード権の仕組み
まずは箱根駅伝のシード権について簡単に説明します。
2021年現在の箱根駅伝に出走したチームは関東学生連合を除いて20校です。
その20校のうち往路復路の総合成績が上位10校の大学は、翌年度の箱根駅伝に予選会無しで出場する権利が与えられます。この権利がシード権です。
シードを獲得した大学をシード校といいますね。
ここでシード権を獲得できなかった大学は翌年は、残り10校の枠かけた予選会に出場、本線出場枠を勝ち取らなければなりません。
この予選会は前回は約50校が参加しており、前年に箱根を走った実力校といえど容易に突破することができない熾烈な戦いの場となっております。
また予選会は10月の出雲駅伝や11月の全日本大学駅伝の間を縫って行われるので、このレースに向けた調整が難しく、シード校と比べると大きな負担となります。
よってシードを獲得するか否かは、その大学の年間スケジュール、練習プランを左右するものであり、かなり影響が大きいといえます。
シード権の歴史
今では当たり前になっているシード権ですが、第1回大会からあったわけではなく途中から追加された制度でした。
その歴史は1957年の第33回大会までさかのぼります。
第33回大会からシード制が導入されるようになり、前回10位までが予選免除で出場することができるようになりました。つまり32回大会(1956年)で10位に入った10校がシード校として出場しました。
この時期の出場校は全部で15校だったので、2/3がシード校だったことになります。
そして48回大会(1972年)大会からシード枠が9校になりました。つまり47回大会(1971年)で9位に入った大学がシード校として出場しました。
ここから30年ほどはシード校が9校のまま大会が続いていきます。
そして79回大会(2003年)大会からシード枠が10校になりました。つまり78回大会(2002年)で10位に入った大学がシード校として出場しました。
そして79回大会から出場校が20校となり、出場校の半分がシード校、半分が予選会突破校という制度になりました。
この後関東学生連合チームが創設され、このチームが10位以内に入るとシード枠が一つ無くなった時期がありましたが、現在では関東学連はオープン参加となりシード枠には影響しなくなりました。
33回大会(1957年)大会からシード制が導入。前回大会10位までが予選免除
48回大会(1972年)大会からシード枠が9校になる
79回大会(2003年)大会からシード枠が10校になり、出場校が20校に増える
シード権が分かつ天国と地獄
箱根駅伝ではシード権争いについてかなり熱く実況していますが、ではシード権をとることはいったいどれくらい翌年の箱根駅伝に影響があるか知っていますか?
今回のメインはここについて調べてみました。
箱根駅伝のシード出場について分類すると以下のようになります。
①前大会ではシード獲得、今大会もシード獲得
②前大会ではシード獲得、今大会はシード圏外
③前大会ではシード圏外、今大会はシード獲得
④前大会ではシード圏外、今大会もシード圏外
⑤前大会ではシード圏外、今大会は予選会落ち
⑥前回は予選会落ち、今大会はシード獲得
⑦前回は予選会落ち、今大会はシード圏外
シード制度が始まった第33回大会(1957年)から97回大会(2021年)までの65大会での結果を上記の分類にそってまとめてみました。
数字だけだと分かりずらいですので、細かく解説していきます。
シード校として出場することの意義
まずはシード校として出場することが、今年の結果にどれくらい影響するかです。
シード権のメリットとして予選会の免除による調整の優位が挙げられますが、本当にその影響があるのか見ていきましょう。
①、②のシード校として出場した大学の今大会の結果を見てみると、約8割が今大会も連続でシードを獲得しています。
もちろんシードを獲得している大学の地力が高いので当たり前かもしれませんが、やはりシード校として出場することの調整の優位はあるのでしょう。
シード落ちからの予選会参加での本選出場は厳しいのか
ではシード落ちした大学が翌年の箱根駅伝ではどんな結果になったのか見ていきましょう。
実はシード圏外から予選会に挑んでいるチームの約3/4は予選会を突破してお正月の本選に進んでいます。
つまり予選突破組の7,8校は前年度のシード圏外校、残りの2,3校は前年予選会落ちのチームとなります。
よって箱根駅伝の出場校はほぼほぼ固定されているということになります。
まあ毎年見ててもお馴染みの学校が出ているのがほとんどなので、だいたい実感しているのと同じかなあと思います。
やはり関東の大学限定という参加資格というのも影響があるかと思います。そろそろ全国の大学が参加可能にしてほしいです。
箱根駅伝に出場しているチームはそもそも実力があるので、たとえシード権を獲得できなくても、その半分以上が翌年も本選に復活出場してくるということが分かりました。
シード無しで出場から、シード権を獲得することの壁の高さ
最後にシード獲得の壁の高さについて見ていきましょう。
前大会にシード圏外、もしくは予選会落ちだった大学が翌年の箱根本選に出場した際の結果です。つまり予選会突破組の本選結果です。
見ての通り、予選会組の7割がシード圏外という結果です。
やはりシード獲得というのは高い壁なのでしょうね。
逆にシードを獲得できた大学の7割は翌年もシード権を獲得しているということなので、シードを獲得するということは、関東で上位の結果を安定して出すことのできる実力が身についているということなのでしょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
毎年、熱く実況されている箱根駅伝のシード争いですが、こうして過去の実績を見てみると、シードをとるかとらないかがで翌年の結果も大きく左右されるので、見ている我々よりも選手たちのほうがかなり気にしているのかもしれませんね。
来年もこのシード争いから目が離せません!
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!