皆様は渡邊直子さんという登山家をご存知でしょうか？
現役の看護師でありながら世界に14座存在する8000m峰の完全踏破を目指している日本人女性登山家です。
数々の日本人女性初の記録を打ち立ててきた渡邊直子さんの登山家人生を紹介します。
渡邊直子さんの登山家人生
幼少期、学生時代
渡邊直子さんは1981年10月27日に福岡県で生まれました。
家族の影響を受けて3歳から登山を始めました。
両親の付き添いなしで、障害児たちと登山やサバイバルキャンプに参加していたそうなので、幼いころから相当のチャレンジャー精神があったことが伺えます。
小学校に入ってからはアジアの子供たちと一緒に、中国無人島キャンプやモンゴル草原縦走などを経験したそうです。
小学4年生の時にはに初体験した雪山登山に魅了されたことがきっかけで、12歳の中学1年生時に初めてパキスタンで4,700メートルの登山に挑戦しました。この経験から高峰登山の面白さを知ったようです。
また小学校時代はいじめにあう辛い経験もしたそうですが、登山やキャンプを通じて、仲間と長期間の生活過ごす中で共同生活の難しさやハプニングを乗り越えるうちに考え方も大きく変わり、何事にもチャレンジできる人間へと身も心もシフトチェンジしたとのことです。
2000年に福岡県立春日高等学校卒業後は登山とは正反対の海のことを学ぼうと水産学部長崎大学水産学部に進学、韓国の済州島で海女(あま)の研究をしました。
また在学中の登山において保険係を担当したこで看護師の仕事に興味を持ち、日本赤十字豊田看護大学看護学科にも通うことを選択しました。
登山を続けつつ2つの大学に通うというヘビーな大学生活を送っています。またバドミントンにも熱中し、長崎大学では全日本学生選手権出場を果たしたようです。多才ですね。
登山歴
2004年に長崎大学を、2009年に日本赤十字豊田看護大学を卒業後は看護師として働くとともに登山家としても活動を続けています。
以下が渡邊さんの主な登山歴です。
・2000年(19歳)：マルディヒマール登頂（ネパール：5587m）。世界最年少記録(19歳)
・2002年(21歳)：アイランドピーク登頂（ネパール：6189m）
・2006年(25歳)：チョオユー登頂（ネパール：8201m、世界6位）
・2008年(27歳)：メラピーク登頂（ネパール：6476m）
・2011年(30歳)：エベレスト(世界1位)に挑戦も8700mにて断念。
・2013年(32歳)：エベレスト登頂（ネパール：8848m、世界1位)
・2014年(33歳)：マカルー登頂（ネパール：8463m、世界5位）。日本人女性2人目。
・2015年(34歳)：アンナプルナI峰(世界10位)に挑戦も7900mにて断念。
・2016年(35歳)：アンナプルナI峰(世界10位)に挑戦も7500mにて断念。
・2016年(35歳)：マナスル登頂（ネパール：8163m、世界8位)
・2017年(36歳)：カンチェンジュンガ(世界3位)に挑戦も8150mにて断念。
・2017年(36歳)：ナンガパルバット(世界9位)に挑戦も7300m断念。
・2018年(37歳)：カンチェンジュンガに挑戦も8300mにて断念。
・2018年(38歳)：K2登頂（パキスタン：8611m、世界2位）。日本人女性2人目。
・2019年(39歳)：アンナプルナI峰登頂（ネパール：8091m、世界10位)。日本人女性初。
・2019年(39歳)：カンチェンジュンガ登頂（ネパール：8586m、世界3位）。日本人女性初。
・2019年(39歳)：マナスル登頂（ネパール：8163m、世界8位）（2回目）
・2019年(39歳)：ダウラギリ(世界7位)に挑戦も7200mにて断念。
・2021年(41歳)：ダウラギリ(世界7位)に挑戦も6500mにて断念。
・2021年(41歳)：ローツェ(世界4位)に挑戦も5935mにて断念。
・2021年(41歳)：ダウラギリ登頂（ネパール：8167m、世界7位）
・2022年(42歳)：ローツェ登頂（ネパール：8516m、世界4位）
・2022年(42歳)：ナンガパルバット登頂 （パキスタン：8126m、世界9位）
・2022年(42歳)：ガッシャブルムⅡ 峰登頂（中国：8035m、世界13位）
・2022年(42歳)：ブロードピーク 登頂（中国：8051m、世界12位）
・2022年(42歳)：ガッシャブルム Ⅰ 峰登頂（中国：8080m、世界11位）
・2022年(42歳)：マナスル(ネパール：8163m、世界8位）※登頂位置変更の為、メインピーク登頂
登山家としての功績
渡邊直子さんは日本人女性初の記録を数多く残しています。
・日本人女性初の8000m峰13座登頂
：日本人女性初の世界トップ3座登頂（エベレスト、K2、カンチェンジュンガ）
・日本人初の1年間で8000m峰6座登頂(2022年参照)
・日本人女性初のカンチェンジュンガ登頂（ネパール：8586m、世界3位）
・日本人女性初のアンナプルナⅠ峰登頂（ネパール：8091m、世界10位)
・2022年までに8000m峰を24回踏破
渡邊直子さんの8000m峰14座登頂の挑戦とクラウドファンディング
渡邊さんは2022年までに世界に14座ある8,000ｍ峰のうち13座を登頂しており、完全制覇まであとはシシャパンマ(中国：8027m、世界14位)を残すのみとなっております。
2023年4月以降の挑戦を予定しておりますが、シシャパンマに登るには中国政府の許可を取る必要があるため、チベットの情勢上、すんなりと入山許可が下りない可能性があり、その場合は秋以降に延期することになるそうです。
渡邊さんはこの挑戦について次のように述べております。
日本だけでなく、世界中の子供たちに海外での冒険を体験してもらいたい。登山はもちろん、世界には楽しいことがたくさんあることを知ってほしい。
そのためにまず、世界女性初8,000メートル峰全14座登頂を果たし、世界中の人に私の活動を知ってもらいたい。
今までは自分の趣味のひとつとして続けてきた登山だったけど、これからはこれまでの経験を活かして、社会に貢献したい。
渡邊さんは今までの登山の資金のほとんどを看護師として働きながら貯めたお金から捻出してきた苦労人ですが、今回のシシャパンマへの挑戦に際してはクラウドファンディングを設立して資金援助をお願いしております。むしろ今までよく自費で行けてましたね。。。
こちらのサイトから応援ができますので、渡邊さんの挑戦に感銘を受けた方は是非後押ししてあげましょう！
渡邊直子さんの情報を得るには
渡邊さんは書籍を出版しておりませんが、ネット上ではホームページ、インスタグラム、またインタビュー記事等が公開されています。
ホームページ
母校で開催された講演会の映像です。
おわりに
渡邊直子さんという登山家の生涯を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？
人生の辛いことも楽しいこともその多くを登山と共に乗り越えてきた渡邊さんは、山に愛し山に愛される真の登山家だと思います。
彼女が残してきた数多くの功績に、さらにまた一つ8,000m峰14座登頂が加わることを切に願い、これからもその動向を見守っていきたいと思います！
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました！！！Have a nice run！
