2021年7月23日にオリンピックが開催されます。
国内のコロナ禍のまん延が収まらない中での開催強行に対しては、中止もしくは延期にすべきという意見が多く出ています。
ここまで来て中止は難しいということを、政府や組織委員会の人は言っていますが、本当にそうなのでしょうか?
実はオリンピックは過去に5回も中止になったことがあります。しかもその中には日本が複数回含まれているのです。
今回は過去に中止になった近代オリンピック5大会について紹介していきます。
- 1916年ベルリンオリンピック(夏季):第一次世界大戦
- 1940年東京オリンピック(夏季):日中戦争
- 1940年札幌オリンピック(冬季):日中戦争
- 1944年ロンドンオリンピック(夏季):第二次世界大戦
- 1944年コルティナダンペッツォオリンピック(冬季):第二次世界大戦
- おわりに
1916年ベルリンオリンピック(夏季):第一次世界大戦
1896年に近代オリンピックが始まってから、一番最初に大会が中止になったのは1916年のベルリンオリンピック(夏季)です。
当時は欧州は政治・軍事的に不安定な情勢となっており、ベルリンもその渦中にありました。
1916年のオリンピックの為に、国内のスポーツ会場を整備していたドイツでしたが、開催の2年前である1914年に欧州全土を巻き込んだ第一次世界大戦に突入します。
そして大戦に入る直前の1914年6月に、パリで開かれたIOC総会にてベルリンオリンピックの中止が決定されました。
初めてのオリンピック中止は戦争によるものだったのです。
1940年東京オリンピック(夏季):日中戦争
2回目の中止はなんと1940年の東京オリンピックでした。
この東京オリンピックはもし開催が実現していたら、アジア初のオリンピック大会になるということで注目されていました。
さらに1923年に起きた関東大震災からの「復興五輪」とも位置付けていました。
また、1940年が神武天皇即位紀元2600年に当たるため、記念行事の一環として五輪を誘致したいという思惑もあったため、開催が熱望されておりました。
近代柔道の祖といわれる嘉納治五郎さんは日本人初のIOC委員となり、開催のために尽力しました。
しかし1937年に日中戦争が始まると、世界各国からオリンピック中止の圧力が強まっていきました。
そして当時日本を牛耳っていた軍部も、オリンピックよりも戦争に資金をつぎ込むことを優先したため、1937年7月に日本政府は、開催権を返上することとなりました。
この年の大会はヘルシンキを代替地として開催される予定でしたが、第二次世界大戦が勃発し、ヘルシンキ大会も中止となりました。
1940年札幌オリンピック(冬季):日中戦争
実は中止となった東京オリンピックと同じ1940年に、札幌では冬季オリンピックが開催される予定でした。
こちらも開催されれば日本初・アジア初の冬季オリンピックとなるはずでしたが。日中戦争の影響で、日本が開催権を返上し中止となりました。
代替地としてサンモリッツ(スイス)や、ガルミッシュ(ドイツ)が検討されましたが、第二次世界大戦の激化により、最終的には中止となりました。
1944年ロンドンオリンピック(夏季):第二次世界大戦
1944年に開催予定であったロンドンオリンピックでしたが、開催地がロンドンに決まった1939年には、ヨーロッパ全土巻き込む第二次世界大戦が勃発しました。
イギリスもドイツとの戦争に突入してしまったため、イギリスもオリンピックへの注ぐ余力がなくなり、第13回大会であるロンドンオリンピックは中止となりました。
1944年コルティナダンペッツォオリンピック(冬季):第二次世界大戦
1940年の札幌オリンピックが中止となり、次の1944年の冬季オリンピックの開催地として選ばれたのは、ウィンタースポーツが盛んなリゾート地、コルティーナ・ダンペッツオ(イタリア)でした。
しかしながらこの大会も第二次世界大戦の勃発により開催されることはありませんでした。
おわりに
過去中止になったオリンピック5大会を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
その全てが戦争の影響で中止となっています。やはりスポーツの大会は平和な中で行われるべきものであると考えられます。
今のコロナ禍での開催するということが、本当にオリンピックとスポーツの理念に沿ったものなのか、お偉いさんたちには今一度考えてほしいものです。
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!