東京オリンピック2020が閉幕し、次は2021年8月24日からパラリンピックが開催されます!
『過去もオリンピックのほうは観てたけど、パラリンピックはいつの間に始まって、気づいたら終わっていた』という方はいませんか?
私はそんな感じだったのですが、今回は自国開催ということもあり、例年のオリンピックよりもテレビ中継は多いと思いますので、注目して観たいと考えています。
今回は「パラリンピックってよく分からない」という方のために、パラリンピックの由来や起源、出場資格等の基本情報について紹介していきます!!
パラリンピックの名前の由来は?
パラリンピックとは「もう一つのオリンピック」を意味しています。
「Parallel=もう一つの」と「Olympic=オリンピック」を合わせた言葉です。
パラリンピックという呼称は1964年の第2回東京大会の時に初めて使われるようになりました。
元々は両下肢まひを意味する「Paraplegia=パラプレジア」から来ていましたが、パラリンピックの参加者の範囲が広まっていくに従い、パラレルのほうでの解釈が広まっていきました。
パラリンピックのシンボルマークは「スリー・アギトス」と呼ばれています。
アギトスとはラテン語で「私は動く」という意味で、困難を前にしても諦めずに限界に挑戦し続ける選手を表現しています。
赤・青・緑の3色は、世界の国旗で最も多く使われている色から選ばれています。
パラリンピックの起源は?
パラリンピックの起源は、1948年にロンドンの北西部にあるストーク・マンデビル病院で行われた、車いすの方々によるアーチェリー大会にあるとされています。
この病院の院長であったルートヴィッヒ・グットマン博士は、第二次世界大戦の中で脊髄を損傷して車いすでの生活を余儀なくされた患者たちに、リハビリテーションの一環としてスポーツに取り組むことを勧めました。
するとこの取り組みは大きな効果があり、多くの患者は気力・体力ともに回復して再び社会に戻ることができるようになりました。
障がい者にとってのスポーツの重要性を感じたグットマン博士は、自国開催の1948年のロンドンオリンピックと合わせて、病院内でアーチェリー大会を開催しました。
この大会は好評で、その後毎年開催されるようになりました。
このアーチェリー大会は、1952年の開催時にはイギリスだけでなくオランダからも選手が参加し、第1回国際ストーク・マンデビル大会に発展しました。
そして1960年にイタリアのローマで行われた第9回国際ストーク・マンデビル大会が、のちに第1回目のパラリンピックとされたのです。
その後、パラリンピックは参加資格が徐々に広がっていき、最初は下半身まひの方々だけの参加だったのが、1976年の第5回トロント大会からは視覚障がい者と四肢切断者が参加できるようになり、1980年の第6回アーネム大会からは脳性麻痺の方、第8回ソウル大会からはそれ以外の身体障がい者も参加できるようになっていったのです。
日本においては、先ほど紹介したグットマン博士の元で理念と知識を学んだ中村裕博士がが、パラリンピックの素晴らしさに心を打たれ、1961年に大分県での第1回身体障がい者体育大会の開催に尽力しました。
この功績により、中村博士は「日本パラリンピックの父」と呼ばれています。
パラリンピックの参加クラス
最初はアーチェリー1種目からスタートしたパラリンピックですが、2016年のリオデジャネイロパラリンピックにおいては529個もの金メダリストが出るほどの種目数となりました。
オリンピックが307個であったのと比べると倍近くになります。ちなみに競技数自体はオリンピックが28競技、パラリンピックが22競技でした。
この種目数の差は、パラリンピックの競技には細かい「クラス分け」があるためです。
「障がい」と一言で表しても、実際には障がいのある部位や種類は様々あります。身体的障がいだけでなく、視覚や知的発達などの場合もあります。
そのためパラリンピックでは、同程度の障がいを持つ方が公平に競い合うためにクラス分けが行われています。
陸上競技で実例を出しましょう。
例えば100m競走のクラスに「T33」というものがあったとします。
数字の前にある「T」は走る跳ぶなどの「トラック競技」を表しています。ここが「F」の場合は投擲競技のような「フィールド競技」であることを示します。
つまり数字の前のアルファベットは競技の種類を表しています。
数字の前のアルファベット
T:トラック(走る・跳ぶ➡100m走やマラソンなど)
F:フィールド(投げる➡円盤投げ、やり投げなど)
次に数字の「33」ですがこれは10の位と1の位で示すものが違います。
10の位は障がいの種類を示しています。
十の位の種類分け
10番代:視覚障がい
20番代:知的障がい
30番代:脳性まひ
40番代:切断・機能障がい(立位)
50番代:切断・機能障がい(車いす)
60番代:競技に義足を装着
1の位は障がいの程度を表しています。0から9の数字で表され、数字が大きいほど障がいの程度が軽くなります。
つまりT33とは「トラック競技で脳性まひの程度が3の人のクラス」となります。
日本パラ陸上競技連盟が公開しているクラス分けの説明表に詳細が記載されているので、興味がある方は見てみてください⤵
ちなみに東京オリンピックの100mのクラスは、T11、T12、T13、T33、T34、T35、T36、T37、T38、T47、T51、T52、T53、T54、T63、T64の16クラスがあります。
このようなクラス分けのことは「クラシフィケーション」と呼ばれ、クラス分けする人を「クラシファイヤー」と呼んでいます。
クラシファイヤーは、クラス分けを行うために必要な知識や技術を学ぶ必要があり、資格として制度化されています。
また国内大気で通用する「国内クラシファイヤー」、国際大会でも通用する「国際クラシファイヤー」の2種類があります。
おわりに
パラリンピックの概要について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
私自身知らないことだらけだったので、パラリンピックについての理解を深めることができました。
皆様も是非、今回の東京パラリンピックに注目してみましょう!!
参考書籍
リンク
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!