コロナ禍で運動不足を心配している方の中には、これを機にランニングを始めたという人もいるのではないでしょうか?
ランニングは誰でも手軽に始めることができますし、中にはずっぷりとハマってしまってフルマラソンを目指そうと考えている人もいるかと思います!
そして走りの参考にするために、箱根駅伝やオリンピックのマラソン見て、3:00/kmで走る選手の姿に驚愕するまでがワンセットかと思います。3:00/kmって本当に人間辞めてると思います笑
ところであなたは、マラソンが強い国というと、どこが思い浮かぶでしょうか?
マラソンに詳しくない人でも、ケニアやエチオピアといったアフリカ勢が頭に思い浮かぶのではないでしょうか?
それもそのはず、マラソンの世界記録において、男子では上位10人全てが、女子では10人中8人がケニアとエチオピアの選手で独占されているのです!(2021年12月現在)
なぜ、ここまでケニアとエチオピアの選手はマラソンで結果を残すことができるのでしょうか?
今回は、ケニアとエチオピアのマラソンの強さについて考察していきます!
以下参考書籍です。
マラソンという有酸素運動に適した身体的特徴を持っている
ケニア・エチオピアの選手の足が速い理由の一つとして、脚が長いことが挙げられます。
足が長いと、足を上げてから振り下ろす時の速さが早くなるため、地面を蹴る力が強くなります。そうすると一歩の歩幅=ストライドを伸ばすことができます。
また足が長いということは、身長のうちに占める胴体の長さの割合が短くなるため、胴体を前に移動させるためのエネルギーが少なくて済むのです。。
またケニア・エチオピアの選手は、血液の中で酸素の供給の役割を果たすヘモグロビン
の量が多く、また血液の粘着性が低いため、より多くの酸素を効率よく取り入れて全身へと運ぶことができるとのことです。
この血液の特徴は、マラソンという長時間の有酸素運動においてとても有利に働きます。
要はケニア・エチオピアの選手は、エネルギー不足になりにくい身体的特徴を有しているということが、マラソンが強い要因の一つであるといえます。
身体的な優位を育む環境に住んでいる
なぜケニア・エチオピアの選手が、このようなマラソンに適した身体的特徴を有しているかというと、彼らが生活する地域に関係しています。
ケニア・エチオピアはアフリカ東部の赤道付近にある国であるとともに、内陸のほうはとても標高が高い地域になります。
場所によっては標高2000mを超える地域で生活している人もおり、海抜0mの地域と比べると20%以上も薄い酸素濃度の中で生活していることになります。
人間は酸素濃度が薄い地域で住んでいると、自然と体が多くの酸素を取り込めるように、酸素を取り込む能力が引き上げられていきます。
標高の高い地域でトレーニングすることで心肺能力を強化する高地トレーニングというものがありますが、ケニア・エチオピアに標高が高い地域に住んでいる人は、日頃の生活から高地トレーニングを積んでいるようなものなのです。
日頃のトレーニングの中で自然に最大酸素摂取量や走行能力の両方を強化することができるとともに、試合が行われる低標高の場所では十分に酸素があるため、他の国の選手よりも有利な状態でマラソンを走ることができるのです。
また、ケニア・エチオピアの子供たちは、幼少時代には往復2時間はかかる学校へ走って通うということも珍しくなく、学校が終わってからも、水くみや羊の世話で走り回るという日常生活を送っています。
そのように日常的にも走ることが生活の一部となっており、意図せず走力が鍛えられているということも、ケニア・エチオピアの選手がマラソンで強い要因であるといえます。
貧しい環境で育まれたハングリー精神
ケニア・エチオピアという国が、世界的に見て貧困国家であるという点もマラソンが強い要因の一つであるといえます。
彼らの国の多くの人々はとても貧しい暮らしを送っており、電気やガスもとおっておらず、水も自分たちで汲みに行くような環境で日々を生きています。
そのような環境の中でも、マラソンなどの陸上長距離大会でメダルを取るなどができれば、大会の賞金、スポンサー契約やメディア出演などから多額の収入を得ることができ、貧困生活から抜け出すことができるのです。
引退した選手は、その後も指導者になったり、手に入れたお金でビジネスを始めたりすることができます。
つまりケニア・エチオピアの貧困層の人達にとって、マラソンで勝つことは人生を変えるチャンスであり、人生を賭けた大勝負なのです。
日本のように、部活の延長線上であったり、走ることが好きだからという理由でマラソンをやっている選手が、ハングリー精神で彼らに勝ることはとても難しいでしょう。
もちろん日本の選手も真剣でやっていることは間違いないですが、勝たなければ道が開けない彼らとは背負っているものがかなり違ってくることでしょう。
おわりに
ケニア・エチオピアの選手がマラソンで強い理由を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
育ってきた環境や社会情勢によって育まれたてきた身体的・精神的なアドバンテージを他の国の選手が覆すのはとても難しいものがあると思われますね。
ただ今の時代、トレーニング方法の進歩や、シューズなどの技術発展も目覚ましく、このような差をひっくり返すことができる可能性も上がってきております。
またいつの日か、日本人選手がマラソンの世界大会で表彰台に立つ日が見たいですね!
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!