皆様の会社にも会計関係の部署が必ずあると思います。
一般的にイメージしやすいのは経理部かと思いますが、会社によっては経理部だけでなく、主計部や財務部といった部署に分かれていたりします。
これらの部署がどのような仕事の区分になっているかはご存知でしょうか?普段会計関係の部署と関わりが無いとあまり見えてこないところかと思います。
今回は、会計関係の一般的な3部署、経理部・主計部・財務部の仕事の区分と業務内容について解説していきます!!
※会社の規模、業態、企業風土によって、業務の区分は変わってきますので、あくまで一般的な話ということでご理解ください。
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経理部の仕事
経理部の主な仕事は、会社が行っている日々の取引を会計帳簿に記録して現状を把握する業務です。
現状を把握する業務というと、ざっくりしているので、具体的にはどんなことをしているかを見ていきましょう。
会社が行う日々の取引を記帳する
経理の仕事としてまず挙げられるのが、会社が行っている仕入や売上、経費精算などの取引を記帳することです。
簿記をかじったことがある人なら分かると思いますが、仕訳を起票するということです。
この仕訳がないと、会社は自社の取引を数字として認識することができません。そうすると今年はいくら売上があって、いくら儲けが出たと言うのを金額として見ることができないのです。
なので仕訳起票が会計業務のスタートといえます。
会社の取引というのは1日の間だけでも、数十件、数百件と行われており、その全てを経理部で起票することは大変なように思えますが、今はどこの会社も会計システムを導入して経理業務を効率化しているから定型的な取引なら簡単に仕訳が起票できるようになっています。
どちらかというと突発的に発生するイレギュラーな取引をいかに仕訳に落とし込むかを検討するのが、経理の頭の使いどころだったりしますね。
あと取引に係る請求書や領収書の保管も経理の仕事です。証憑を一定期間保管することは税法で定められているため必須です。
そのため最終的に書類が集約されてくる経理部で保管することになります。ただ書類の数も大量になってくるので、きちんと整理して体系立てて管理できる几帳面さも求められることになります。
支払いや入金の出納業務
二つ目は、仕入先への支払い処理や、顧客からの売上の入金処理です。要するに入出金に関わる処理を行う業務で出納業務という言い方もします。
経理と言ったら主にこの仕事をしているイメージがある人も多いかもしれません。
会社の現預金を扱う出納業務はとても大切で、金額のミスは絶対に許されないし、支払いが遅れたりしたら会社の信用にも関わります。
銀行とやり取りすることもあるため、内勤といえど外部と接する機会は多くなるので負筒にコミュニケーション能力が要求されます。
よく誤解されがちな、経理は黙々と仕事してるだけというのは決して経理の実像ではないということです。
各勘定の台帳作成
三つ目は、資産・負債各勘定の台帳作成です。これは仕訳によって計上された各勘定ごとに台帳を作成して残高を管理する目的があります。
この台帳を作成は、各勘定の現時点での金額を把握するとともに、請求日が過ぎている売掛金が未入金だったりとか、処理を忘れていた立替金や預り金が滞留していないかとか、要は適切に処理されていない会社のお金が残っていないかをチェックするために行っています。
ただ会社によっては、売掛金は営業部門で管理、買掛金は調達部門で管理してたりするので、必ずしも全ての勘定を経理で管理しているわけではありません。
残高の管理は、その勘定に関わりのある部署が行うことが多いのですが、これも会社によってまちまちな部分であります。
決算書の作成
そして4つ目は、決算書の作成です。
届け出をしている法人は、決算期ごとに決算書を作成することが求められています。
決算書を作成することを開示といいますが、開示業務は経理部が深く係る分野です。
分かりやすいのでいうと貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)っというやつですね。このように会社の財政状態や経営成績を示す財務諸表を作るのは経理の大事な仕事です。
財務諸表はいわば会社の公式な通信簿となるため、絶対にミスは許されません。些細な誤りでも会社の信頼に影響するからです。
決算書作成でミスをしないためにも、日々の仕訳起票、出納管理、台帳作成を丁寧にやる必要が経理には求められます。
要は毎日正確に仕事しましょうということですね!!
主計部の仕事
続いては主計部の仕事についてです。
経理部と主計部は重複している業務もあるし、実際に区分していない会社もありますので、あくまで一つの考え方として聞いてください。
財務分析
主計部の業務として挙げられるのは財務分析です。
経理部が作成した決算書や、社内で蓄積されている財務データを元に、前年度比較や前月比較、競合他社比較、予算実績比較をして、会社の問題点を精査します。
そしてその精査した内容を経営陣に伝えることで、会社の経営の舵取りに役立てます。
要は忙しい経営者に代わって、経営判断のための材料となる数値的資料を作成するのです。
当然役員クラスが使う資料なので、半端なものは提出できないですし、それなりの精度が求められます。役員側からの逆質問も来るのでその対応準備も必要となり、かなりのプレッシャーがかかることになります。
予算策定
会社の予算策定を行うのも主計部の大事な業務です。
予算と言うのは、ある一定の期間内での収支の見積もりのことで、要は会社が1年間とか1か月という期間の中で、どれくらい売上を出せるかや、どれくらい経費がかかるかなどを
その期間が始まる前に予め計算してことをいいます。
会社の規模が大きくなればなるほど、扱う金額も大きくなってくるため、予算を立てずに、どんぶり勘定で経営をしていたら、気づいたときには資金が底をついていたり、
大赤字になっている可能性だってあります。
なので事前にしっかりとした予算を策定して、会社のお金を適切に運用することが必須となってきます。何事も事前の計画が大切ということです。
経理部と主計部の違い
経理部と主計部の仕事について解説してきましたが、最初にいったようにこの2つの部署は分けていない会社もありますし、重複している業務もあります。
ただ、ざっくり傾向を分けるとしたら、経理部はこれまでに発生したお金の流れを集計するのに対して、主計部はこれからお金をどう使うかを考える、という風に分かれると思います。
また経理部は過去の数値を見て、主計部は未来の数値を見るという傾向はあるともいえます。
ただし主計部でも決算書の作成に携わりますし、経理部でも経費の分析はしたりするので、結局は会社次第で業務内容は異なってきます。
財務部の仕事
最後の財務部の解説です。財務部は経理部や主計部とは少し毛色が違ってきます。
資金調達
財務部の重要な仕事は資金調達です。
どんな優れた会社でも無借金経営している会社は少ないです。ほとんどの会社は銀行から借入をしたり、社債を発行したりして現金を調達しています。
事業を継続するための資金を調達するために、銀行などとやり取りするのが財務部の大事な仕事となります。
経理部も銀行とのやり取りはありますが、それは日ごろの取引の入出金についてであって財務部は会社の経営に係るところで銀行とやり取りすることになります。
将来を見据えて、普段から銀行との関係を良好に保って、必要な時に銀行から資金を調達できるようにしておく必要があります。
お金のプロである銀行マンと交渉するわけだから、財務部側も経済に関する知見や、交渉負けしないコミュニケーション能力が必要となります。
資金管理や資産運用
そして調達した資金の管理も財務部の仕事です。
利益が上がっているのに、手元に現金が無くて黒字倒産してしまう会社もあります。
そうならないためにも財務部は、経理部や主計部が作成した資料も活用して会社の資金繰り計画予測を立てます。
債権の回収時期や、買掛金や利息の支払い時期をきちんと把握して手元のキャッシュが尽きないように注意し、会社にとって本当に必要な時期に借入を行うための準備をします。
また手元に資産が余っているときには、資産運用で収益を上げることを考えたり他社の株式や債券を購入したりとかも財務部の領域となります。
つまり会社が事業を継続していくうえで必要なお金を確保しつつ、時には運用で増やしていくのが財務の役割なのです。
おわりに
経理部、主計部、財務部の仕事の違いについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
会計関係の部署は細分化されがちですが、どの部署も会社のお金を扱っているのは同じであり、互いに協力しあったり、相談したり、資料を融通しあったりと、関わる場面はとても多いです。
部署の垣根に囚われず積極的にコミュニケーションをとっておくことが、自身の仕事を助けることに繋がります!
ちょっと敷居が高いと感じている人も、積極的に話しかけてみると、新たな発見があるかもしれませんよ!!
動画でも解説しているので、興味があったらご覧ください!⤵
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!