皆様は、荻田泰永(おぎたやすなが)さんをご存じですか?
荻田さんは、カナダ北極圏やグリーンランド、北極海を中心に主に単独徒歩による冒険を行う北極冒険家です。
今回は、行動力あふれる荻田泰永さんについて紹介していきます。
荻田泰永さんの来歴
荻田さんは、1977年9月1日に神奈川県愛甲郡愛川町で生まれました。
故郷の丹沢は山と川に囲まれた土地であり、自然と触れ合う機会は元々多かったようです。
小学生時代は少年野球をやっており、中学・高校生時代は陸上部に所属して短距離と走り幅跳びに取り組むスポーツマンでした。
この時期に足腰を鍛えたことで、身体の基礎ができたとのことです。
その後、神奈川県立愛川高等学校を卒業後に、神奈川工科大学に進学するも1999年3月に3年生で神奈川工科大学を中退しました。
同年の7月に、冒険家である大場満郎さんの存在をテレビ番組で偶然知ることとなります。
その番組の最後に、大場さんが主宰で「北磁極を目指す冒険ウォーク」を開催することを告知しました。
荻田さんは大場さんの話に感銘を受け、企画の参加を決めたそうです。
そして2000年に荻田さんは初めて北極に赴きます。荻田さんにとって、これが人生初の海外旅行でした。また、それまでは本格的なアウトドアの経験もなかったそうです。
そんな中で北極に赴いたことで、「これだ!!」という感覚を得たそうです。
荻田さんはこの企画に参加し、カナダ北極圏レゾリュート村〜北磁極の700kmを踏破しました!
ここから荻田さんの北極と向き合う人生がスタートします。
北極冒険家としての歩み
2000年の冒険ウォークを経て、北極の魅力の虜となった荻田さんは、2001年から一人での冒険をスタートし、以来アルバイトで資金を作っては、毎年のように北極圏の各地を訪れるようになります。
2000年より2019年までの20年間に様々な北極の冒険を経験し、北極圏各地をおよそ10,000km以上移動しました。
以下に荻田さんの冒険の軌跡をまとめます。
・2000年:冒険家大場満郎さんの主宰した「北磁極を目指す冒険ウォーク」に参加し、カナダ北極圏レゾリュート〜北磁極の700km徒歩行
・2001年:レゾリュートでの北極滞在トレーニング
・2002年:レゾリュート〜グリスフィヨルド(カナダ最北集落)までの500km単独徒歩行
・2003年:カナダ北極圏ビクトリア島徒歩行
・2003年:夏のビクトリア島ツンドラトレック
・2004年:グリーンランド犬ぞり縦断行 シオラパルク〜アンマサリク2000km
・2006年:カナダ北極圏ケンブリッジ偵察行。
・2007年:レゾリュート〜ケンブリッジベイ1000km無補給単独徒歩行に挑戦。500km地点にて両手に大火傷を負い、断念。
・2008年:夏のツンドラトレッキング。
・2010年:レゾリュート〜北磁極への700km無補給単独徒歩行
・2011年:レゾリュート〜ジョアヘブン〜ベイカーレイクの1600km徒歩行をし、Faust A.G. Awards冒険家賞を受賞
・2012年:北極点無補給単独徒歩到達へ挑戦するが断念(第一回)
・2014年:再度、北極点無補給単独徒歩到達へ挑戦するが断念(第二回)
・2016年:カナダ最北の村グリスフィヨルド〜グリーンランド最北のシオラパルクをつなぐ1000km単独徒歩行(世界初踏破)
・2017年:カナダ北極圏ケンブリッジベイトレーニング
・2018年:南極点無補給単独徒歩到達に日本人初の成功し、植村直己冒険賞を受賞
・2019年:若者たち12人との北極行「北極圏を目指す冒険ウォーク2019」を開催。600kmを踏破し、ゴール・クライドリバー到達
このような世界有数の北極冒険キャリアを持つことで、国内外のメディアからも注目される日本唯一の「北極冒険家」として有名となったのです。
荻田泰永さんが開店した登山・冒険の専門書店
そんな荻田さんは、2021年5月にの活動拠点である神奈川県大和市に、冒険や登山に関連する本を集めた専門書店『冒険研究所書店』をオープンしました。
冒険や旅行、登山をテーマとして小説やエッセイ、ルポルタージュの新書、古書などが約3千冊を揃っています。
また荻田さんが収集した貴重な資料も公開し、無料で閲覧できるコーナーも設けられるとのことです。
荻田さんはこの書店を「本と冒険、旅が一直線につながる場所」と表現しています。
運が良ければ、荻田さんと直接お会いすることもできるとのことですので、機会があったら足を運んでみてはいかがでしょうか?
『冒険研究所』
住所: 神奈川県大和市福田5521−7
最寄り駅:小田急江ノ島線 桜ヶ丘駅
営業時間:午前10時~午後7時、毎週月曜が定休日
おわりに
荻田さんは自身の経験を次の世代に受け継いでいく為に、『100milesAdventure』や『北極圏を目指す冒険ウォーク』といった、若者に冒険の素晴らしさを実体験を通じて伝える取り組みをしています。
荻田さんの冒険は決して一人で成し遂げたものではなく、多くの人に影響を受け、支えられてきたからこそ達成できたのでしょう。
最後に荻田さんの言葉で締めくくらせて頂きます。
『「『早く行きたいならひとりで行け、遠くへ行きたいなら皆で行け』という言葉があります。自分も、歩く時こそひとりですが、仲間がいて、チームを組んでいるからこそ挑戦できていると思っています。何かを成し遂げるにはひとりの力では限界がある。大きな夢を成し遂げるには、人の力がどうしても必要になりますから」
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!