『山の天気は変わりやすい』という言葉を聞いたことがありませんか?
実際に登山をしていても、登り始めたときには快晴だったのに、山頂についたときには濃霧、下山時には土砂降りなんてことは普通にありますよね。
今回は山の天気が変わりやすい理由について解説します。
雲が発生して天気が荒れるメカニズム
まずなぜ天気が崩れるのかというと、それは雲が発生し成長するからです。
雲というものは水蒸気を含んだ空気が冷やされて飽和に達すると発生します。
また、先日投稿したの『なぜ山頂は寒いのか!?』の記事でも紹介しましたが、空気は上昇すると膨張して冷やされます。
つまり雲は水蒸気を含んだ空気が上昇気流で上空に届いたときに発生します。。
平地において上昇気流が発生するのは、低気圧や台風の中心付近、前線付近、風と風がぶつかり合うところ、地面が暖められたところなどで発生し、このような気象条件が重なると雲が発生しています。
山において天気が変わりやすい理由
山では平地よりも雲が発生しやすいです。それは山では先述の気象条件に該当しなくても上昇気流が発生しやすいことに起因します。
なぜなら山で風が吹くと、空気が斜面に沿って昇っていき、それによって上昇気流が発生するからです。
平地ではただの横風であったものが、山では簡単に上昇気流に変わるのです。
このとき上昇する空気に水分が多く含まれている場合は、雲が発達して天気が崩れやすくなるのです。
つまり山の天気が変わりやすいのは、山という地形自体が上昇気流を容易に生み出すので、雲が発生しやすくなっているからといえます。
登山の前に天気予報を見る時の注意点
山に向かって吹いた風に水分が多く含まれていれば、雲が発達して天気が多く崩れることとなります。
なので登山する側の方角で低気圧や前線、台風が発達している場合は、 湿った風が流れ込んでくる可能性が高くなり、天気が荒れやすくなります。
同様に海上の空気は常に海水が蒸発して湿っているため、海から風が吹いてくるときも山では天気が荒れる可能性が高くなります。
なので同じ山でも海側の斜面は天気が悪いのに、逆側の斜面は良い天気といった現象が発生します。
日本列島は中央部に山脈が走っており、これを境にして日本海側と太平洋側で分けられる場所が多いので、日本海から風が吹いてくるときは日本海側の山岳の天気が悪くなり、太平洋側から風が吹いてくるときは太平洋側の山岳で天気が悪くなるのです。
なので登山の前に天気予報を確認するときは、目的の山の登る斜面側にて低気圧や前線などが発生していないか、また海側から強い風が吹いていないかなどもチェック項目に加えると、山で悪天候に見舞われるリスクを下げられるかもしれません。
おわりに
『山の天気は変わりやすい』理由について解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?
登山を続けていれば、悪天候に見舞われてしまうのは避けられないことです。
今回紹介した内容を踏まえて登山前に少しでもリスクを見極めるとともに、登山の際は天気の急変に備えて必ず雨具と防寒具を持参することを心掛けていきましょう。
参考書籍
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本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!