「高い山は、夏でも山頂は寒いから防寒具を持っていくように」というのは登山者にとっては常識のことかと思います。
ただなぜ山頂が寒いのかその理由を説明できますか?
太陽が近いのだから逆に暖かくなるのではと考えたことがある人もいるかもしれません。
今回はなぜ標高が高くなると寒くなるのかについて解説していきます。
山の上はどれくらい寒いのか?
それではまず、標高の高いところは本当に寒いのかというところから。
例えば○○高原とかいうと避暑地として利用されるイメージがありますし、富士山やアルプスの山々は夏に入っても雪が残っていたりします。
標高の高いところは実際に寒いのです。
一般的に1,000m標高が上がると、気温はおよそ6.5℃下がることが分かっています。
なので標高0mの地点の気温が15℃のとき、軽井沢(標高1,000m)はおよそ、8.5℃ですし、富士山の山頂(3,776m)はおよそマイナス11℃にもなります。
もちろんこれは単純計算なので、太陽の見え方や、風の強さ、湿度などにも影響を受けますが、おおむねこのような気温になります。
山の上が寒いのはなぜか?
ではなぜ山の上の気温は低くなるのでしょうか?
気温はつまり大気の温度のことなので、大気がどうやって暖められているのかが重要となってきます。
太陽光というのは、光をよく吸収するものをより暖かくする性質があります。
真夏に駐車場に置いてある黒い車って信じられないほど熱くなったりしているように、黒は太陽光をよく吸収します。
逆に白色は太陽光をよく反射するのでそのもの自体は暖まりにくい性質があります。
そして本大気はどうかというと、大気は透明なため太陽光を吸収することはありません。
太陽光は大気をスルーして地球の表面に届き地表面を暖めます。
こうして暖まった地表が大気を暖める熱源となっているため、熱源である地表面が最も暖かく、熱源から離れて標高が高くなるほど寒くなるのです。
また暖かい空気というのは上空へと上昇するという性質を持っていますが、標高が高くなると空気が薄くなり、上昇した空気は膨張します(断熱膨張)。
空気は暖めると膨張する性質を持っていますが、断熱膨張のよう暖められたわけではないのに膨張すると、逆に冷たくなります(断熱冷却)。
よって山頂が寒いのは、①太陽光を吸収して暖かくなっている地表面と比較して相対的に気温が低くなっているのと、②上昇した空気が膨張し冷却されている、という2つの理由となります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。山頂が寒い理由について納得していただけましでしょうか?
山頂についたら写真を撮ったりご飯を食べたりでしばらく滞在すると思いますので、このときに薄着のままずっといると、寒さで体力を奪われる恐れがあります。
登山に行くときはたとえ真夏であっても、厚手の防寒具をザックに入れておくことを忘れない様にしてください!
参考書籍
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!