先日は「かぐや姫の故郷は富士山だった!?」というお話を紹介しました。
これは静岡県富士市に伝わる伝承でした。
どちらが起源なのかという議論についてはさておき、今回は広く知られている「竹取物語」が富士山の山名に影響しているという説の紹介です。
見るものを惹きつける富士山について
富士山は言わずもがな日本一高い標高を誇る山であり、日本人だけでなく、外国の人にも絶大な人気のある魅力的な山です。
この人を惹きつける魅力と、全国各地からその姿を見れることから、数えきれないほどの伝承があり、名前も不尽、不二、富慈、芙蓉峰、富岳などの呼び方があります。
富士山の山頂には直径約800mの大きな火口があり、その周りの尾根を歩くことを「お鉢めぐり」といいます。
火口の周りの尾根には剣ヶ峰、白山岳(釈迦岳)、久須志岳(薬師岳)、大日岳(朝日岳)、伊豆ヶ岳(阿弥陀岳)、成就ヶ岳(勢至ヶ岳)、駒ヶ岳(浅間岳)、三島岳(文殊ヶ岳)といった八つのピークがあります。
それらを仏教の「八葉蓮華」(お釈迦様が座っている蓮)にたとえて、かつては「お八めぐり」と呼ばれていました。
しかし明治の廃仏毀釈により仏教的な呼び方がよくないものとされ、七峰の名称を変更するとともに、火口をすり鉢にたとえて、呼び方を「お鉢めぐり」に変えさせたということです。
「富士山」の名前の由来に関わるかぐや姫
さて前回の『富士市に伝わるかぐや姫伝説』も富士山と大きな関わりがありましたが、広く伝わっている『竹取物語』でも、かぐや姫と富士山の関わりが描かれています。
『竹取物語』では、富士の裾野の駿河国の竹やぶの中からかぐや姫が生まれ、たいそう美人に育ち世間でも大評判となりました。
このかぐや姫の噂はついに帝の耳にも届き、そこで帝はかぐや姫に会ってみたところ、非常に美しくたちまちかぐや姫に夢中になってしまい、妃のように愛したそうです。
それから3年が過ぎるころ、かぐや姫は「私は元々この世界のものではなく、天女なのです」と言い残し、鏡を形見に姿を消してしまいます。
悲しんだ帝は、姫が残した不老不死の薬や手紙を、天に一番近い富士山頂で燃やしてしまうように言いました。
帝の勅使は大勢の兵士を連れて富士山に登り、山は兵士でいっぱいになりました。そこで「士に富む山」ということで、「富士山」と名付けられたという説があります。
また、不老不死の薬を燃やしたことで「不死山」という名がつき「富士山」に転じたという説もあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した富士山の名前の由来に関する説は 、あくまでかぐや姫に関係するのものです。
他にも、比べようのない唯一無二の山という意味の「不二山」から転じた説や、山の頂に年中雪が絶えないという意味の「不尽山」から転じた説など様々あります。
どの説も理があってどれが本当なのか考えると悩んでしまいますね。あなたは富士山の由来はいったいどれが正しいと思いますか?
参考書籍
本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!