SHIINBLOG

走り出した足が止まらない!

趣味とは、仕事に疲れた時の癒し、そして長い老後の最良の友。 いわば人生のオアシスである。(酒井正敬)

小松由佳(登山家・フォトグラファー)の、人と自然を愛する生き方をたどる!

だから、私は山へ行く」 #03 小松由佳さん | ランドネ

 

皆さまは、登山家でありフォトグラファーの小松由佳さんをご存知でしょうか?

 

日本人女性として初めてK2登頂に成功した方で、数々の登山の賞を受賞している、女性登山家の第一人者です。

 

今回はそんな小松由佳さんの登山人生について紹介していきます。

 

 

小松由佳さんの来歴

小松由佳さんは1982年9月22年に秋田県で生まれました。(2020年10月時点で38歳)

 

小松さんは秋田県立秋田北高等学校に入学し登山部に入りました。

 

高校では主に競技登山に打ち込んでいたそうです。

 

大学は、山岳部がある東海大学に入学し、女人禁制ルールによって一度は入部を断られたものの、意志の強さに驚かれ、入部に至りました。

 

そうして本格的な登山を始めることになりました。

 

山岳部では、男性部員と同じメニューをこなしていても、「女性だから」と区別されてしまうこともあったそうです。

 

しかし、そんなときにもある先輩の言葉によって救われたそうです。

 

「男だ、女だと分けるのは人間だけ。暑さも寒さも喜びも、山はすべて平等に与えてくれる。だから、自分で壁を作るなよ」

 

この言葉によって、小松さんは一層トレーニングに打ち込むようになりました。

 

4年生になったころには、山岳部の主将を任され、同じ年にはドルクン・ムスターグ(6355m)でヒマラヤデビューも果たしました。

 

大学卒業後も登山を続け、世界の高峰に挑んでいきます。

 

 

小松由佳氏の登山家としての歩み

大学卒業後の2005年、日中友好の登山隊に参加する機会を得て、チョモランマ(8850m)に挑戦しました。

 

しかし、まだまだ登山隊についていくのは難しかったようで、遅れを取ったために戦力外とみなされてしましました。この時は6500mまで登りました。

 

そんな中、大学の山岳部の監督から「創部50年記念事業でK2に登ってみないか?」と声をかけられたのです。

 

K2はエベレストに次ぐ世界第2位の標高を誇る山です。

 

小松さんはその誘いを受けて2006年にK2に挑戦し、そして見事登頂に成功しました。

 

南南東支稜からの登頂は女性として世界初であり、この登頂が称えられ植村直己冒険賞を受賞(2006年)しました。

 

また同年に秋田県民栄誉章も受章しました。

 

その翌年にはシスパーレ(7611m)に遠征しました。

 

これらの海外遠征の験からもっと世界の人間の生活に目を向けて生きていきたいと感じるようになったとのことです。

 

以下が主な海外遠征の登山歴です。

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小松由佳さんの登山以外の活動!!

2008年からはモンゴルやシリアなどをめぐり、遊牧人たちと生活を共にして自然や人間の生活を生で感じる経験を積んでいきました。

 

そして、その中で夫となるシリア人のラドワンさんと出会いました

 

ラドワンさんは、アブドュルラティーフ一家の16人の子どものうち12番目の子供でした。大家族!

 

しかし外国人である小松さんと親しくしているとスパイと疑われる為、シリアの人は小松さんから離れていき、小松さん自身も秘密警察に監視されるようになったとの事でした。

 

もちろんアブドュルラティーフ一家の人達も小松さんと距離を置いたそうです。

 

『会いたいけれど来ないでほしい。警察にマークされている』と電話で伝えられ、それ以降は小松さんはシリアにはいきませんでした。

 

その後、ラドワンさんがシリアからレバノンに脱出したときに2人は再会し、2013年に結婚されました。

 

夫のラドワンさんとの出会いをきっかけに、シリアの内戦や難民をテーマに取材を手掛けており、難民の自立支援活動にも取り組んでいます。

 

2010年にはエジプトのオアシスの暮らしや、ナイル流域の人々の暮らしを取材。2011年にはシリア砂漠の遊牧民ベドウィン族の取材も行いました。

 

 

勤務先は、登山用品店ICI石井スポーツを経て東京郊外の牧場、知的障害者の福祉施設での活動を行い、現在は若者の自立支援業務に携わっています。

 

 

小松由佳氏に関わる書籍

小松由佳さんはフォトグラファーとしても、多様な自然環境の中での人間のくらしを撮影し、写真集や著書を出版しています。 

 

 

 

 

おわりに

小松由佳さんの紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

小松さんはこんな言葉を述べています。

 

重要なのは、価値観が違う相手とも同じ場に居られること。人はときに前提すら違うこともある。話し合っても理解できないこともある。

 

それでもいっしょにここにいることはできる。そうした積み重ねが、〝共存〞というものだと思うんです。

 

 

山は、その孤高さから雄大な自然から勇気や感動を与えてくれる存在ですが、刻々と天候が変わっていったりして、人間の命を奪うこともあります。

 

そのような山々の登頂に成功し、世界中の人々の暮らしを自らが体験して写真に収めるという経験をしている小松さんだからこその言葉だなと感じます。


世界中の人々の暮らしや自然の姿をありのままに伝えてくれる、登山家でフォトグラファーの小松由佳さんの今後のますますのご活躍に期待です。 

 

 

本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!!Have a nice run!