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NIKEの厚底シューズ禁止は見送りに。今後のシューズ開発への影響は?

「NIKEの厚底シューズ、ヴェイパーフライ(VF)の規制」のニュースが陸上界に大きな動揺をもたらすことによって始まった2020年。

 

前回投稿した記事では、規制の対象となっているNIKEの厚底シューズの歴史について紹介をしました。

 

より速くを追求し、常にランナーに寄り添って開発をしてきたNIKEの努力に待ったをかけてしまうのは、陸上界にとって良いこととは思えません。

 

ただ厚底シューズを履いた選手が様々な陸上記録を塗り替えており、もはやNIKEを履かねば記録更新ができないのでは?そんな認識が広まりつつあるのも事実です。

 

世界陸上連盟がいったいどのような答えを出すのかに注目が集まっておりました。そして1月末にシューズに関する新規則を発表しました。内容を要約すると「条件付きで全面禁止は見送り」です。


私としては、この報道にホッと胸をなでおろしました。ただし内容を細かく見ていくと、過熱するシューズ開発にどう相対していくかに世界陸上連盟が苦慮している一面もうかがえます。

 

今回は厚底シューズ規制問題に対して世界陸上連盟が出した結論について紹介していくとともに、今後のシューズ開発にどのような影響が出てくると考えられるのかについて解説していきます。

 

 

 

世界陸上連盟が発表した新規則とは?

今回世界陸上連盟(世界陸連)が公表した新規則について詳しく見ていきましょう。大きなトピックは3つです。

 

①靴底の厚さは40mm以下までにすること

「厚底化」への歯止めをかけるために規定が設けられました。

 

現行のヴェイパーフライ NEXT%の靴底は37mmの厚さであり、今回の新規則には抵触しません。

 

底が厚ければ厚いほど性能が上がるというわけではないですが、ソールの厚みを増したり、ソールの形状を工夫したりすることによって走行フォームに好影響を与えようとする、現在の開発理念に対しての待ったがかかったものと思われます。

 

現在のヴェイパーフライNEXT%を履いている多くの選手は、この靴の性能を引き出すためにはそれに合わせたフォームで走る必要があると述べています。

 

今回の規制は、このままシューズ開発が厚底化、形状特化の方向に進んでいった際に、ランニングで大事なのは靴なのか人なのかという無為な議論が過熱していっていまうことを懸念してのものだと思います。

 

40mmという基準がどのような理論で設けられたのかは不明ですが。

 

②カーボンファイバープレートの埋め込みは1枚まで

VFの特徴として、靴底にカーボンファイバープレートが埋め込まられていることが挙げられます。

 

カーボンプレートがクッション性と、地面からの高反発を生み出すことによって、ランニングの効率を高めています。

 

今回の規制では、このカーボンファイバープレートを複数埋め込むことが禁止されました。

 

現行のVF NEXT%はカーボンファイバープレートの埋め込みは1枚だけなので問題ありません

 

ただしキプチョゲ選手が「イネオス1:59:00チャレンジ」で着用し、2時間切りを達成したアルファーフライはプレートが3枚埋め込まれているため、今後のレースでの着用は禁止されることになります。

 

やはりNIKEの厚底シューズの肝であるカーボンファイバープレートにテコ入れが入りました。靴底の厚さに制限ができたため、そもそも無制限に埋め込むことはできなくなっておりしたが、今のうちに枚数の制限をかけてきたようです。

 

ここからは枚数ではなくその素材でアドバンテージを生み出していく開発競争になっていくのでしょう。

 

③レースで着用できるのは、大会4か月前までに市販されているシューズに限る

レースに向けた開発競争の面ではこの規制の影響がとても大きいかもしれません。

 

4/30日以降に発売される製品については、販売から4か月が経過していないと公式戦で使用できないとの新規則が発表されました。

 

店頭でもオンラインでも一般の人が入手可能な状況になっていることが求められます。

 

これが示すことは大会では試作品を着用して走ることができないということです。各メーカーが極秘で開発してきたシューズを国際大会で初お披露目⇒市販開始でバカ売れという過去のVFのような販売戦略はとれなくなります。

 

また大会の直前まで選手に合わせたシューズ開発をする企業の努力も制限されてしまうことになります。

 

世界陸連としてもシューズの規制という大鉈を振った以上、大会当日にいきなり今まで見たこともないシューズが出てきて、各種記録をかっさらうような状態になることを避けたいのでしょう。

 

東京オリンピックマラソンは2020年8月9日に開催されます。よってオリンピックのマラソンで着用するシューズは、2020年4月10日までに市販されていなければいけません

 

今後のシューズ開発への規制と、その影響について

シューズの開発工程についても2つの規制が発表されています。

 

1つ目は東京オリンピックが終わるまで、新シューズの技術開発が禁止されます。4か月前市販ルールを設けたうえにさらに、このルールが設定されました。

 

この規制により、東京オリンピックマラソンはVF NEXT%の独壇場となりそうです。

 

2つ目はオリンピック後は新たなシューズを大会で使用する前に企業が世界陸連に試作品を提供し承認を得る必要があるというルールです。

 

この規制により極秘で技術開発したシューズを国際大会で試作品をお披露目のようなセンセーショナルなプロモーションができなくなります。

 

またシューズの開発はシューズだけが先行して開発されるわけではありません。

 

①選手の要望を聞く

②試行錯誤を重ねる

③試作品を作る

④大会で使用して感触を確かめる

⑤技術を集約し一般化して広く普及させる

 

上記のプロセスを重ねて、エリート層から一般層の幅広いランナーのところまで良いシューズが届けられるのです。承認規制は②~③のプロセスに介入してくるのものであり、メーカーが陸連の意向を気にしながら開発を進めなければいけなくなってしまうことは間違いありません。

 

この規制の影響はエリート層だけでなく、長い目で見れば一般層のランナーにも、性能の高いシューズが市販されるサイクルが遅くなるという点で出てくるかもしれません。

 

そしてBreaking2のような技術開発と同時並行して行うイベントも今後は開催しづらくなるでしょう。承認されてもいないシューズで世界記録を出したとしても全員が納得することはできないでしょうからね。

 

かといってすでに市販されているシューズを使ってBreaking2のようなイベントをしたとしてもメーカー側としては大きなうま味はないでしょう。

 

この規制は、技術開発とプロモーションの2つの面でメーカーを抑えつけてしまうことになります。メーカーの開発モチベーションを下げることになるのではないか心配です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。この厚底シューズ規制騒動は、エリートランナーのみが影響を受ける問題ではないと思います。

 

ランニングという行為において、シューズというファクターが果たす役割はとても大きいです。些細な違いにより大きな差が出るのは間違いありません。

 

ただし決して靴が勝手に走るわけではなりません。この問題が提起された今こそ我々ランナー全員が声を大にしてアピールしなければいけないのだと思います。

 

「走るのは”俺"だ!!」

 

本日も拙いブログを読んで頂きありがとうございました!!Have a nice run!

 

 

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